あぐらで痛い膝痛改善 臀部/股関節の柔軟性編
こちらは「膝痛の原因を探すフローチャート」の「あぐらで痛くなる」タイプへのアプローチ方法を紹介しています。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
この記事は「膝痛のフローチャート」の2回目のチェック「あぐら姿勢」でエクササイズが必要となった方向けのアプローチ方法になります。
このチェックフローは膝痛の原因を特定するためのものです。まだチェックをしていない方はこちらの記事からどうぞ↓↓
今回の膝痛へのアプローチは、「臀部/股関節」と「膝のねじり」です。
特に臀部/股関節はあぐら姿勢でかかる膝の負担に強いつながりがあります。
では早速説明していきましょう。
臀部/股関節と膝
あぐら姿勢で膝が痛くなるという方は意外と多くいらっしゃいます。
場所的にも関係なさそうですが、実は共通する大事な動きがあるのです。
それは「回旋」。いわゆる「ひねる」動きです。
まずは臀部/股関節からみていきましょう。
股関節
股関節の主な働きは股関節を曲げる「屈曲」、股関節を伸ばす「伸展」、脚を外に広げる「外転」、脚を内に広げる「内転」そして内にひねる「内旋」、外にひねる「外旋」です。
中でも重要なのは「内旋」「外旋」です。
簡単な絵ですが、この動きが内旋と外旋です。股関節をひねっている状態です。
この動きは日常の生活の中で非常に多く動きます。ではこのように動かしている筋肉はどこでしょう?
それは「臀部」の筋肉です。
中臀筋/大臀筋
臀部の筋肉である「中臀筋」と「大臀筋」が股関節をひねる動きの担当です。

どちらも臀部を代表する筋肉です。大臀筋は表面にあり、中臀筋は覆われるようについています。
「内旋」は中臀筋の仕事です。そして「外旋」は大臀筋の役割となります。
では今度はあぐら姿勢との関係です。
あぐら姿勢でのストレス
まずはあぐら姿勢を見てみましょう。
写真にもあるように、あぐら姿勢では股関節と膝に「ひねる」動きが入ります。
まず股関節は「外旋」、それに合わせて大腿部も「外旋」します。
そして下腿部(膝から下)は「内旋」です。
ここで注目は大腿部「外旋」と下腿部「内旋」です。
膝を挟んで「外旋」「内旋」と分かれます。
そうなると膝は「ねじれ」のストレスがかかるのです。
例えるのであれば「雑巾しぼり」です。

膝を中心に、上と下から反対方向にねじられています。
とはいえ、通常の膝の状態であれば問題ありません。この膝のねじりが必要以上に強くかかるので痛くなるのです。
その原因は「股関節」です。
股関節「外旋」の柔軟性がなかった場合、どこかがそれを補わなければなりません。
それが「膝のねじり」です。ねじりを大きくすることでなんとか座れるように調整しています。
結果として膝にストレスがかかる、という仕組みです。
★check point
股関節は臀部の筋肉によって動く!
股関節の外旋が硬いと膝がねじられる!
膝はねじられすぎると痛くなる!
臀部/股関節の柔軟性をあげる
ここまでで股関節の柔軟性、特に「外旋」があぐら姿勢では重要だという説明をいたしました。
そして股関節を動かしているのは「臀部」の筋肉です。
この筋肉が硬くなれば股関節も動かなくなります。
ということで、ターゲットは「臀部」の筋肉です。では柔らかくしていきましょう!
大臀部ストレッチ
大臀筋は股関節を外旋させる筋肉です。
・写真のようにあぐらを組み、伸ばしたい側の足を前にする
・足と足の間は拳1つほどあける
・姿勢を引き上げたまま前へ倒す
・膝が痛くない範囲で実施
・30秒×3回、1日3回目標
中臀筋ストレッチ
中臀筋は股関節を内旋させる筋肉です。
・椅子などに座って行う
・片膝を写真のように抱える
・なるべく姿勢を保ったまま身体に引き寄せる
・膝が痛い場合は痛ならない範囲で実施
・30秒×3回、1日3回目標
股関節内旋 / 外旋
股関節の動きをダイレクトに促します。
・写真のように座り膝は90°で曲げる
・足幅は腰幅よりやや広める
・膝が反対の踵に着くように倒す
・床に押し込むようにやや力を入れる
・臀部がなるべく浮かないようにする
・交互に30回程度、×3セット
シングルクアドラプトロッキング
股関節を「はめ込む」ように促すエクササイズです。
股関節を内旋方向に動けるようにします。
・四つ這いになり片脚を伸ばす(1枚目)
・姿勢を維持したまま臀部を後ろへ移動(2枚目)
・伸ばしている足を流すように内側へ(3枚目)
・支えている足の臀部が伸ばされている感覚があればOK
・10〜15回、×2〜3セット実施
★check point
ストレッチは合計90秒を目指すこと!
できれば1日のうちに数回行う!
効果がでるまでは早くて2週間、普通は4週間くらい!
調子だけなら3日で変わることも!
効果がでたら再チェック!
合格ラインをクリアできたら次のフローへ!
メインは外旋だが内旋/外旋両方柔らかくすること!
膝をひねる筋肉
膝を「ひねる」と説明してきましたが、もっと具体的にするとひねられているのは膝から下の部分です。
部位で言うと「下腿部」になります。
右:下腿部(腓腹筋、ヒラメ筋)
下腿部は上図の右側になります。ここで記載されている「腓腹筋」によってひねることができます。
さらに上図左の「ハムストリング」も下腿部をひねることの出来る筋肉です。
この2つの筋肉は膝裏で交差します。
この部分が硬くなると「ひねり」に制限がかかり、痛みに変わることが多いのです。
膝裏(膝窩部)リリース①
ハムストリング、腓腹筋が膝をひねらせる筋肉であるのなら、柔らかく保てば股関節から来る「ねじり」のストレスにも対応できるはずです。
方法はシンプルです。ほぐしましょう。
ターゲットは膝裏(膝窩部)です。

・写真の位置(黄色の部分)がターゲット
・(右の写真)の①のように下からえぐるように押し付ける
・ターゲットは腱の内側
・①で押し付けながら、②のような軌道で上下に切るようにほぐす
・軽めに行うこと(意外とデリケートな部分です)
・長くても3〜5分程度、1日に3回できればOK
写真の黄色部分の2か所がターゲットです。
2か所ともその外側にスジのような腱が触れます。スジを目安にその内側を押す、と思って下さい。
膝窩部リリース②
先ほどの方法が難しい!と感じる場合はこのような方法でもOKです。

・膝でテニスボールを挟む
・テニスボーでなくても可
・ボールは少し上下左右にずらしながらターゲットを決めていく
・軽めに行うこと(意外とデリケートな部分です)
・長くても3〜5分程度、1日に3回できればOK
フローチャート
エクササイズの効果が出てきたら「あぐらチェック」で痛みの確認をしてみましょう。
膝は「痛みゼロ」までの回復は難しい部位です。ですので痛みの「緩和」が見られれば効果はあったと判断して良いと思います。
日常生活に支障のない範囲の痛みであれば「回復」と言っても良いでしょう。
そこまで改善が見られてきたら次の項目へ進んでください。
次は「しゃがみ/階段」チェックになります。この動作で痛みがあるか確認していきましょう。
記事はこちらです↓↓
フローチャートを進める→チェックする→エクササイズ→再チェック の流れで進めてみてください!
まとめ
今回のテーマは「あぐら姿勢」で痛むタイプの膝痛でした。
ターゲットは主に臀部の筋肉です。
関係のなさそうな場所でも痛みの原因となっていることは多くあります。
フローチャートを進めながらチェックしていきましょう!
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